最終契約
さいしゅうけいやく
最終契約とは、基本合意の後、デューデリジェンスの結果と最終的な条件を反映して締結する契約をいいます。医院の承継における一連の交渉の締めくくりにあたり、この契約に署名した時点で、双方は取引を実行する義務を負います。それまでの基本合意や意向表明書が拘束力を限定した文書であったのに対し、最終契約は全面的な効力を持つ点が決定的な違いです。
契約の構成は、いくつかの部分に分かれます。まず取引の内容を定める部分です。何を、いくらで、いつ移転するのかという核心的な事項が記載されます。譲渡の対象、対価の額と支払いの方法、クロージングの日をここで確定させます。基本合意の段階では幅を持たせていた金額も、この時点で一つの数字に定まります。
次に、クロージングの前提条件を定める部分です。取引を実行するために満たされていなければならない事項を列挙します。医院の承継では、賃貸人からの承諾が得られていること、リース会社の同意が取得されていること、買い手側の融資が実行されること、買い手が医療法人であれば理事会や社員総会の承認が得られていること、そして行政手続きの見通しが立っていることといった項目が並びます。これらが満たされなければ、クロージングを行わないという整理です。
三つ目が、表明保証の部分です。譲渡側が一定時点の事実関係を表明し、その正確性を保証します。財務の正確性、開示した以外に債務がないこと、契約に違反がないこと、許認可が適法であること、診療報酬の請求が適正であること、未払いの賃金が存在しないこと、医療事故に関する紛争がないことといった項目が対象になります。契約書の中で最も分量が多くなる部分です。
四つ目が、補償に関する部分です。表明保証に違反があった場合、誰がどこまでの責任を負うのかを定めます。責任を負う期間を一年から二年程度に限る、補償の上限を譲渡対価の一定割合とする、少額の損害は対象から外すといった制限が併せて置かれます。譲渡対価の一部をクロージング後の一定期間留保しておくという設計が用いられることもあります。
五つ目が、当事者の義務を定める部分です。クロージングまでの間、譲渡側は医院を従来どおりに運営し、重要な決定を単独で行わないという義務を負います。設備を処分しない、新たな借入をしない、スタッフの雇用条件を変更しないといった内容です。クロージング後については、譲渡後の一定期間、一定の地域で同業を行わないという競業避止義務、そして引継ぎへの協力義務が定められます。
医院の承継に固有の条項も置かれます。前院長が承継後にどの程度診療を続けるのか、週に何日、どのような立場と報酬で関わるのかという引継ぎに関する取り決めです。患者さんの離脱を抑えるうえで決定的な要素であるため、期間と関与の内容を具体的に定めます。スタッフの雇用をどう扱うか、患者さんへの説明をいつどのように行うか、地域の医師会や連携先の病院への挨拶をどうするかといった項目も、契約に盛り込まれることがあります。
行政手続きに関する取り決めも欠かせません。保険医療機関の指定は自動的には引き継がれないため、個人立の診療所であれば廃止届と開設届の提出、そして指定申請が必要です。どちらがいつ何を提出するのか、指定が受けられなかった場合にどう扱うのかを定めておく必要があります。この手続きが承継全体の日程を左右するため、契約上の日程設定は行政の確認を踏まえたものでなければなりません。
その他、契約に要する費用の負担、秘密保持、契約を解除できる場合、準拠する法律と紛争が生じた際の解決方法といった一般的な条項が置かれます。
最終契約は、それまでの交渉の結果を法的な形にまとめる文書です。ひな型をそのまま用いるのではなく、自院の事情と合意した条件が正確に反映されているかを一つずつ確認する必要があります。署名の前に、弁護士と医療分野に詳しい専門家の双方に内容を確認してもらうことをおすすめします。
契約の構成は、いくつかの部分に分かれます。まず取引の内容を定める部分です。何を、いくらで、いつ移転するのかという核心的な事項が記載されます。譲渡の対象、対価の額と支払いの方法、クロージングの日をここで確定させます。基本合意の段階では幅を持たせていた金額も、この時点で一つの数字に定まります。
次に、クロージングの前提条件を定める部分です。取引を実行するために満たされていなければならない事項を列挙します。医院の承継では、賃貸人からの承諾が得られていること、リース会社の同意が取得されていること、買い手側の融資が実行されること、買い手が医療法人であれば理事会や社員総会の承認が得られていること、そして行政手続きの見通しが立っていることといった項目が並びます。これらが満たされなければ、クロージングを行わないという整理です。
三つ目が、表明保証の部分です。譲渡側が一定時点の事実関係を表明し、その正確性を保証します。財務の正確性、開示した以外に債務がないこと、契約に違反がないこと、許認可が適法であること、診療報酬の請求が適正であること、未払いの賃金が存在しないこと、医療事故に関する紛争がないことといった項目が対象になります。契約書の中で最も分量が多くなる部分です。
四つ目が、補償に関する部分です。表明保証に違反があった場合、誰がどこまでの責任を負うのかを定めます。責任を負う期間を一年から二年程度に限る、補償の上限を譲渡対価の一定割合とする、少額の損害は対象から外すといった制限が併せて置かれます。譲渡対価の一部をクロージング後の一定期間留保しておくという設計が用いられることもあります。
五つ目が、当事者の義務を定める部分です。クロージングまでの間、譲渡側は医院を従来どおりに運営し、重要な決定を単独で行わないという義務を負います。設備を処分しない、新たな借入をしない、スタッフの雇用条件を変更しないといった内容です。クロージング後については、譲渡後の一定期間、一定の地域で同業を行わないという競業避止義務、そして引継ぎへの協力義務が定められます。
医院の承継に固有の条項も置かれます。前院長が承継後にどの程度診療を続けるのか、週に何日、どのような立場と報酬で関わるのかという引継ぎに関する取り決めです。患者さんの離脱を抑えるうえで決定的な要素であるため、期間と関与の内容を具体的に定めます。スタッフの雇用をどう扱うか、患者さんへの説明をいつどのように行うか、地域の医師会や連携先の病院への挨拶をどうするかといった項目も、契約に盛り込まれることがあります。
行政手続きに関する取り決めも欠かせません。保険医療機関の指定は自動的には引き継がれないため、個人立の診療所であれば廃止届と開設届の提出、そして指定申請が必要です。どちらがいつ何を提出するのか、指定が受けられなかった場合にどう扱うのかを定めておく必要があります。この手続きが承継全体の日程を左右するため、契約上の日程設定は行政の確認を踏まえたものでなければなりません。
その他、契約に要する費用の負担、秘密保持、契約を解除できる場合、準拠する法律と紛争が生じた際の解決方法といった一般的な条項が置かれます。
最終契約は、それまでの交渉の結果を法的な形にまとめる文書です。ひな型をそのまま用いるのではなく、自院の事情と合意した条件が正確に反映されているかを一つずつ確認する必要があります。署名の前に、弁護士と医療分野に詳しい専門家の双方に内容を確認してもらうことをおすすめします。