仲介業者|医療機関のM&A、譲渡、売却をお考えの皆様へ

仲介業者

ちゅうかいぎょうしゃ

仲介業者

ちゅうかいぎょうしゃ

仲介業者とは、医院を譲り渡したい側と引き継ぎたい側の間に立ち、候補の探索から条件の調整、手続きの支援までを行う事業者をいいます。クリニックの承継では、当事者だけで相手を見つけて条件をまとめることが難しいため、多くの案件でこうした事業者が関与します。

医院の承継で仲介業者が担う役割は、大きく三つに分けられます。一つ目は候補の探索です。開業を考えている医師や、診療圏の拡大を検討している医療法人といった候補先の情報を持ち、条件に合う相手を探し出します。個人のつながりだけでは届かない範囲に案件を届けられることが、依頼する最大の理由になります。二つ目は情報の整理と開示の管理です。医院名を伏せた概要資料の作成、秘密保持契約の締結、実名開示の管理、案件概要書の作成といった実務を担います。三つ目は条件の調整です。譲渡価格、引継ぎ期間、スタッフの雇用、不動産の扱いといった論点について、双方の希望を突き合わせて着地点を探ります。

医療機関を扱う場合、業者側にも専門性が求められます。保険医療機関の指定が自動的には引き継がれないこと、医療法人の類型によって使えるスキームが変わること、診療所の開設者は原則として医師でなければならないことなど、他業種にはない制約があります。一般企業のM&Aを扱ってきた事業者が医院の案件を手がけると、行政手続きの日程を見誤って承継日に間に合わないという事態も起こり得ます。医療分野の実績があるかどうかは、選定の重要な基準になります。

報酬の体系は事業者によって異なります。成約時のみ支払う成功報酬型が中心ですが、着手金や中間金を併用する形もあります。成功報酬の算定にはレーマン方式が広く用いられ、取引金額に応じて段階的に料率が変わる仕組みになっています。ここで注意したいのは、算定の基礎となる取引金額の定義です。譲渡対価のみを基礎とするのか、負債を含めた総額を基礎とするのかで、支払額は大きく変わります。最低報酬額が設定されている場合、小規模な医院の承継では料率よりその金額が効いてきます。

依頼する前に確認しておきたい点がいくつかあります。まず契約の形態で、特定の一社に独占的に依頼する専任契約か、複数社に並行して依頼できる非専任契約かによって進め方が変わります。次に契約期間と、期間終了後に成約した場合の報酬の扱いです。さらに、どこまでの業務を担うのかという関与範囲です。相手の紹介までで終わるのか、デューデリジェンスや行政手続きの支援まで含むのかは、事業者によって差があります。

立場の理解も欠かせません。双方の間に立つ仲介という形は、譲渡側と承継側の双方から報酬を受ける構造になることがあり、その場合はどちらの利益を優先するのかという問題が生じます。特定の当事者の利益最大化を目的とするアドバイザーとは立ち位置が異なるため、自分がどちらの立場の助言を受けているのかを把握しておく必要があります。中小企業のM&Aについては、国がガイドラインを定め、支援機関の登録制度を設けるなど、事業者の行動に一定の指針が示されています。

選定にあたっては、複数の事業者から話を聞くことをおすすめします。医療分野の実績、報酬の水準と算定方法、関与の範囲、担当者の経験を比較すると、それぞれの違いが見えてきます。医院の承継は一生に一度あるかどうかの取引ですので、最初に接触した事業者にそのまま依頼するのではなく、比較したうえで判断することが望まれます。
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