中小企業退職金共済
ちゅうしょうきぎょうたいしょくきんきょうさい
中小企業退職金共済とは、中小企業で働く従業員のための退職金制度で、国の関与のもとに運営されている共済制度です。中退共と略されます。事業主が毎月掛金を納め、従業員が退職した際には、制度を運営する機構から従業員本人に直接退職金が支払われるという仕組みです。医院でも、看護師や医療事務のスタッフを対象として加入している例が多く見られます。
この制度が医院で利用される理由はいくつかあります。まず、掛金が支払った時点で損金または必要経費として扱われる点です。医療法人であれば損金、個人立の診療所であれば事業の必要経費となり、拠出した年に費用として認識できます。会計上の引当金は税務上損金として認められないため、実際の負担を伴いながら費用にできるこの制度は、税務上の扱いが明快です。
次に、退職金が機構から従業員に直接支払われるという点です。医院の内部に将来の支払い義務が積み上がらないため、退職者が出た年に資金を用意する必要がありません。診療所の規模では、複数のスタッフが同じ時期に退職すると資金繰りに影響が出ることがあるため、この点は実務上の利点になります。
加入には要件があります。従業員の人数や資本金による中小企業の範囲が定められており、診療所の規模であれば通常は対象になります。加入する場合は、原則として従業員全員を加入させることが求められます。一方で、事業主や役員は制度の対象になりません。医療法人の理事長や理事は加入できないため、院長自身の退職金は役員退職金として別に検討することになります。個人立の診療所の場合、院長本人はもちろん、専従者として働いているご家族も対象外となります。
掛金は従業員ごとに設定でき、金額を変更することもできます。国から掛金の一部について助成を受けられる仕組みも設けられており、新たに加入する場合や掛金を増額する場合に適用される場合があります。
医院の承継においては、この制度の扱いを整理しておく必要があります。個人立の診療所を事業譲渡で引き継ぐ場合、雇用関係は自動的には承継されず、譲渡側での退職と譲受側での再雇用という形をとるのが原則です。この際、共済契約をどう扱うかが論点になります。制度には、事業の引継ぎに際して掛金の納付月数を通算できる仕組みが設けられており、要件を満たせばスタッフの勤続期間を切らずに引き継ぐことができます。この手続きを踏まないまま退職の扱いとすれば、その時点で退職金が支払われ、承継後は新たにゼロから積み立てることになります。
長く勤めているスタッフにとって、納付月数が通算されるかどうかは将来受け取る金額に直結します。掛金の納付期間が短いうちに退職すると、納付した掛金の総額を下回る金額しか受け取れない仕組みになっているため、期間を切らないことには実質的な意味があります。承継の条件を検討する段階で、この手続きの可否を確認しておくべきです。
医療法人の持分を譲渡する形では、法人格がそのまま残るため、共済契約も引き続き有効です。契約の当事者が変わらないため、特別な手続きは基本的に必要ありません。
デューデリジェンスでは、加入の有無、対象となっているスタッフの範囲、掛金の額と納付の状況が確認されます。全員を加入させる要件があるにもかかわらず一部のスタッフが加入していない、掛金の納付が滞っているといった状態が見つかることがあります。また、共済に加入しているにもかかわらず、就業規則や退職金規定にその旨が記載されていない、あるいは規定で定めた支給額と共済から支払われる額に差があるという状態も論点になります。差額を医院が負担する約束になっているのであれば、その分は簿外債務として扱われます。
譲渡側の準備としては、加入状況と規定との整合を確認しておくことが有効です。承継に伴う通算の手続きについても、早い段階で制度の窓口や社会保険労務士に確認しておくことをおすすめします。
この制度が医院で利用される理由はいくつかあります。まず、掛金が支払った時点で損金または必要経費として扱われる点です。医療法人であれば損金、個人立の診療所であれば事業の必要経費となり、拠出した年に費用として認識できます。会計上の引当金は税務上損金として認められないため、実際の負担を伴いながら費用にできるこの制度は、税務上の扱いが明快です。
次に、退職金が機構から従業員に直接支払われるという点です。医院の内部に将来の支払い義務が積み上がらないため、退職者が出た年に資金を用意する必要がありません。診療所の規模では、複数のスタッフが同じ時期に退職すると資金繰りに影響が出ることがあるため、この点は実務上の利点になります。
加入には要件があります。従業員の人数や資本金による中小企業の範囲が定められており、診療所の規模であれば通常は対象になります。加入する場合は、原則として従業員全員を加入させることが求められます。一方で、事業主や役員は制度の対象になりません。医療法人の理事長や理事は加入できないため、院長自身の退職金は役員退職金として別に検討することになります。個人立の診療所の場合、院長本人はもちろん、専従者として働いているご家族も対象外となります。
掛金は従業員ごとに設定でき、金額を変更することもできます。国から掛金の一部について助成を受けられる仕組みも設けられており、新たに加入する場合や掛金を増額する場合に適用される場合があります。
医院の承継においては、この制度の扱いを整理しておく必要があります。個人立の診療所を事業譲渡で引き継ぐ場合、雇用関係は自動的には承継されず、譲渡側での退職と譲受側での再雇用という形をとるのが原則です。この際、共済契約をどう扱うかが論点になります。制度には、事業の引継ぎに際して掛金の納付月数を通算できる仕組みが設けられており、要件を満たせばスタッフの勤続期間を切らずに引き継ぐことができます。この手続きを踏まないまま退職の扱いとすれば、その時点で退職金が支払われ、承継後は新たにゼロから積み立てることになります。
長く勤めているスタッフにとって、納付月数が通算されるかどうかは将来受け取る金額に直結します。掛金の納付期間が短いうちに退職すると、納付した掛金の総額を下回る金額しか受け取れない仕組みになっているため、期間を切らないことには実質的な意味があります。承継の条件を検討する段階で、この手続きの可否を確認しておくべきです。
医療法人の持分を譲渡する形では、法人格がそのまま残るため、共済契約も引き続き有効です。契約の当事者が変わらないため、特別な手続きは基本的に必要ありません。
デューデリジェンスでは、加入の有無、対象となっているスタッフの範囲、掛金の額と納付の状況が確認されます。全員を加入させる要件があるにもかかわらず一部のスタッフが加入していない、掛金の納付が滞っているといった状態が見つかることがあります。また、共済に加入しているにもかかわらず、就業規則や退職金規定にその旨が記載されていない、あるいは規定で定めた支給額と共済から支払われる額に差があるという状態も論点になります。差額を医院が負担する約束になっているのであれば、その分は簿外債務として扱われます。
譲渡側の準備としては、加入状況と規定との整合を確認しておくことが有効です。承継に伴う通算の手続きについても、早い段階で制度の窓口や社会保険労務士に確認しておくことをおすすめします。