マネジメントインタビュー|医療機関のM&A、譲渡、売却をお考えの皆様へ

マネジメントインタビュー

まねじめんといんたびゅー

マネジメントインタビュー

まねじめんといんたびゅー

マネジメントインタビューとは、経営や運営の実態を把握するために、経営陣に対して行うヒアリングをいいます。医院の承継では、院長や事務長といった運営を担っている人物から、決算書だけでは見えない実情を聞き取る工程にあたります。デューデリジェンスの一部として位置づけられることが多く、資料の確認と並行して行われます。

互いの人物や方針を確かめるトップ面談とは、目的が異なります。トップ面談が任せられる相手かどうかを見極める場であるのに対し、マネジメントインタビューは医院の実態を明らかにするための調査です。買い手の側が質問し、譲渡側が答えるという構造になり、聞き取った内容は評価や条件の判断に反映されます。同じ相手と話す場面であっても、性質が違うものとして整理しておく必要があります。

聞き取りの中心となるのは、収益がどこから生まれているかという点です。レセプト枚数の推移、患者の年齢層と地域の分布、再診率、主な疾患の構成、自費診療の比率といった数字の背景を確認します。特に重要なのが、患者さんが何を理由に通院しているのかという問いです。立地の便利さか、設備の充実か、スタッフの対応か、それとも院長個人への信頼か。ここで院長個人への依存度が高いと判断されれば、承継後に患者さんが離れるリスクが織り込まれ、譲渡価格の評価は慎重になります。

集患の実態も確認事項です。新規の患者さんがどこから来ているのか、近隣の病院や医院からの紹介があるのか、看板やホームページ、地域の口コミのどれが効いているのかを聞き取ります。特定の紹介元に依存している場合、その関係が承継後も続くかどうかが論点になります。

スタッフに関する聞き取りも欠かせません。看護師や医療事務スタッフの人数、勤続年数、雇用形態、給与水準、シフトの組み方を確認します。加えて、実際の残業の状況、有給休暇の取得状況、就業規則が実態と合っているかといった点も対象になります。ここで規程と運用の乖離が見つかれば、未払残業代という簿外債務につながります。院長が承継後にスタッフが残ってくれるかどうかをどう見ているかも、率直に聞かれる部分です。

運営の仕組みについては、意思決定の流れ、業務の分担、院長が自ら行っている業務の範囲を確認します。医院では、経理や労務、発注、シフトの管理といった業務を院長や院長の配偶者が担っていることが少なくありません。その場合、承継後は誰かに引き継ぐか外部に委託する必要があり、新たな費用が発生します。この点は収益力の正常化調整にも関わります。

課題やリスクについての聞き取りも行われます。設備の老朽化と入れ替えの見込み、建物の改修の必要性、電子カルテのサポート期限、テナントの賃貸借契約の更新条件、医療機器のリースの残存期間、係争や苦情の有無、行政の指導を受けた経緯といった項目です。答えにくい内容が含まれますが、隠しても資料の確認や現地の実査で明らかになります。

譲渡側としての心構えとしては、正直に答えることが結果的に有利に働きます。デューデリジェンスの段階で説明と実態が食い違えば信頼を失い、価格の引き下げや交渉の中断につながります。最終契約では表明保証として事実の正確性を約束することになるため、後の責任にも関わります。課題があるなら、その背景と改善の見通しを併せて説明するほうが、交渉は安定します。

実施にあたっては、日程と場所の設定に配慮が必要です。診療時間中に長時間の聞き取りを行えば診療に影響し、スタッフに承継の話が伝わる可能性もあります。診療のない日や時間外に設定し、必要に応じて医院の外で行う運用が一般的です。

マネジメントインタビューは、数字の裏にある実情を明らかにする工程です。あらかじめ想定される質問を整理し、資料と説明の整合を確認しておくことをおすすめします。
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