SWOT分析|医療機関のM&A、譲渡、売却をお考えの皆様へ

SWOT分析

すうぉっとぶんせき

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すうぉっとぶんせき

SWOT分析とは、強み、弱み、機会、脅威という四つの観点から現状を整理する分析手法です。強みはStrength、弱みはWeakness、機会はOpportunity、脅威はThreatの頭文字を取ってSWOTと呼ばれます。医院の承継では、対象となる医院の状況を構造的に把握し、引き継ぐべきかどうか、引き継いだ後に何をすべきかを検討する際に用いられます。

四つの観点は、二つの軸で整理されます。強みと弱みは医院の内部にある要素で、自分たちで変えられるものです。機会と脅威は医院の外部にある要素で、自分たちでは変えられず、対応するしかないものです。この内と外の区別を意識せずに書き出すと、分析が散漫になります。

医院の強みとして挙がる項目には、通院している患者数の多さ、患者さんの再診率の高さ、駅からの距離や視認性といった立地の優位性、特定の疾患や検査で地域から選ばれている実績、長く勤めているスタッフ、充実した検査機器、複数の医師による診療体制、近隣の病院との紹介関係、地域での認知度などがあります。承継の場面では、これらがのれん代として評価される要素と重なります。

弱みとしては、院長個人への依存度の高さ、医療機器や内装の老朽化、電子カルテが導入されていないか古い、駐車場が狭い、バリアフリーへの対応が不十分、診療時間が患者さんの生活と合っていない、スタッフの人数が足りない、就業規則が実態と合っていない、といった項目が挙がります。これらは承継後に改善できる余地がある一方、費用と時間がかかるため、譲渡価格の減額要因にもなります。

機会は、医院の外にある追い風です。診療圏で住宅開発が進んで人口が増える見込みがある、近隣の同じ診療科の医院が閉院して患者さんの受け入れ先が必要になっている、高齢化の進行によって在宅医療や特定の疾患の需要が増えている、地域の連携体制に参加する余地がある、といった要素です。

脅威は、外にある向かい風です。診療圏の人口減少が続いている、近隣に大規模な医院や病院が開業した、診療報酬の改定によって収益構造が変わる可能性がある、看護師の採用が地域全体で難しくなっている、といった要素が挙げられます。診療報酬の改定は医療機関に固有の脅威であり、特定の加算に収益が依存している場合は影響が大きくなります。

分析を行った後に重要なのが、四つを組み合わせて打ち手を導くことです。強みを活かして機会をつかむ、強みを使って脅威に備える、弱みを補って機会を逃さない、弱みと脅威が重なる領域を避けるという四つの組み合わせで考えます。たとえば、特定の疾患に強いという強みがあり、高齢化による需要増という機会があるなら、その領域に診療を集中させるという方針が導かれます。院長への依存度が高いという弱みと、近隣に競合が開業したという脅威が重なるなら、承継そのものを慎重に判断する材料になります。

医院の承継でこの手法を使う際の注意点として、主観に流れやすいという問題があります。譲渡側は自院の強みを実際より高く見積もり、弱みを軽く見る傾向があります。買い手の側も、承継を進めたいという気持ちから機会を大きく見てしまうことがあります。診療圏の人口動態、競合の状況、患者数の推移といった数字で裏づけられる項目は、必ず資料で確認したうえで書き出すことが求められます。

譲渡側にとっては、承継の準備としてこの整理を行う意味があります。弱みとして挙がった項目のうち、承継までの期間で改善できるものがあれば、条件面の向上につながります。資料の整備、就業規則の見直し、老朽化した設備の対応といった項目は、時間があれば対処できるものです。

SWOT分析は、それ自体が結論を出す手法ではなく、議論を整理する枠組みです。数字の裏づけを添えて書き出すことで、承継の判断材料として使えるものになります。医療分野に詳しい専門家と一緒に確認しておくことをおすすめします。
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