表明保証
ひょうめいほしょう
表明保証とは、譲渡側が一定の時点における事実関係を相手方に表明し、その内容が正確であることを保証する仕組みをいいます。もし表明した内容に誤りがあり、それによって買い手に損害が生じた場合には、補償の責任を負うという形で整理されます。医院の承継では、最終契約の中心的な条項として置かれます。
この仕組みが必要とされるのは、買い手が医院のすべてを把握することはできないという現実があるためです。デューデリジェンスによって調査を行っても、限られた期間と費用の中では確認できる範囲に限りがあります。特に医院では、診療時間中に立ち入れないという制約があり、スタッフへの聞き取りも自由には行えません。調査で確認できなかった部分について、譲渡側に「事実はこうである」と表明してもらい、違っていた場合の責任を定めるという構造で、情報の差を埋めます。
表明される内容は多岐にわたります。財務については、提出した決算書が適正に作成されていること、開示した以外に債務が存在しないこと、税務申告に誤りがないことなどです。契約については、締結している契約の一覧が正確であること、契約違反がないこと、支配権の移動によって解除される契約がないことが表明されます。資産については、記載されている資産が実在し、所有権に問題がないこと、担保が設定されていないことが対象になります。
医院に特有の表明事項もあります。まず許認可に関する部分です。診療所の開設が適法に届出されていること、保険医療機関の指定を受けていること、医療機器の設置に必要な届出が行われていることなどが表明されます。次に診療報酬に関する部分で、請求が適正に行われていること、返還を求められる事由が存在しないこと、個別指導や監査で指摘を受けていないことが対象になります。
労務についての表明も重要です。就業規則が届出されていること、未払いの賃金や残業代が存在しないこと、社会保険と労働保険の手続きが適正であること、労使間の紛争が存在しないことが表明されます。医院では実際の残業が記録に残っていないという状況が起こりやすいため、この部分は特に注意を要します。
患者さんに関わる表明も置かれます。医療事故や医療過誤に関する紛争が存在しないこと、患者さんからの苦情や請求が継続していないこと、個人情報の管理について漏洩の事実がないことなどです。医療事故は時間が経ってから顕在化することがあるため、買い手にとって関心の高い部分になります。
表明保証には、責任の範囲を定める仕組みが併せて置かれます。まず期間の制限です。クロージングから一定の期間、たとえば一年から二年程度に限って責任を負うという形にします。税務については、税務調査が行われ得る期間を考慮してより長く設定されることもあります。次に金額の制限です。補償の上限を譲渡対価の一定割合とし、また少額の損害については補償しないという下限を設けます。これによって、譲渡側が無制限の責任を負うことを避けます。
譲渡側にとって重要なのは、知らなかったことでも責任を負う可能性があるという点です。表明保証は、故意に隠したかどうかを問わない形で設計されることがあります。そのため、事実を把握していなかったという主張が通らない場合があります。この点を踏まえて、表明する内容を自分で確認し、不確かな部分については範囲を限定するか、知っている限りにおいてという条件を付けるという交渉が行われます。
一方で、買い手がデューデリジェンスで把握した事項については、表明保証の対象から除外するという整理が一般的です。調査で判明した課題は、価格の調整や別の条項で扱うことになります。したがって、譲渡側としては課題を隠さずに開示するほうが、後の責任を限定できるという関係になります。
表明保証は、契約書の中で最も分量が多くなる部分です。ひな型をそのまま受け入れるのではなく、自院の状況に照らして一つずつ確認する必要があります。弁護士や医療分野に詳しい専門家に内容を確認してもらうことをおすすめします。
この仕組みが必要とされるのは、買い手が医院のすべてを把握することはできないという現実があるためです。デューデリジェンスによって調査を行っても、限られた期間と費用の中では確認できる範囲に限りがあります。特に医院では、診療時間中に立ち入れないという制約があり、スタッフへの聞き取りも自由には行えません。調査で確認できなかった部分について、譲渡側に「事実はこうである」と表明してもらい、違っていた場合の責任を定めるという構造で、情報の差を埋めます。
表明される内容は多岐にわたります。財務については、提出した決算書が適正に作成されていること、開示した以外に債務が存在しないこと、税務申告に誤りがないことなどです。契約については、締結している契約の一覧が正確であること、契約違反がないこと、支配権の移動によって解除される契約がないことが表明されます。資産については、記載されている資産が実在し、所有権に問題がないこと、担保が設定されていないことが対象になります。
医院に特有の表明事項もあります。まず許認可に関する部分です。診療所の開設が適法に届出されていること、保険医療機関の指定を受けていること、医療機器の設置に必要な届出が行われていることなどが表明されます。次に診療報酬に関する部分で、請求が適正に行われていること、返還を求められる事由が存在しないこと、個別指導や監査で指摘を受けていないことが対象になります。
労務についての表明も重要です。就業規則が届出されていること、未払いの賃金や残業代が存在しないこと、社会保険と労働保険の手続きが適正であること、労使間の紛争が存在しないことが表明されます。医院では実際の残業が記録に残っていないという状況が起こりやすいため、この部分は特に注意を要します。
患者さんに関わる表明も置かれます。医療事故や医療過誤に関する紛争が存在しないこと、患者さんからの苦情や請求が継続していないこと、個人情報の管理について漏洩の事実がないことなどです。医療事故は時間が経ってから顕在化することがあるため、買い手にとって関心の高い部分になります。
表明保証には、責任の範囲を定める仕組みが併せて置かれます。まず期間の制限です。クロージングから一定の期間、たとえば一年から二年程度に限って責任を負うという形にします。税務については、税務調査が行われ得る期間を考慮してより長く設定されることもあります。次に金額の制限です。補償の上限を譲渡対価の一定割合とし、また少額の損害については補償しないという下限を設けます。これによって、譲渡側が無制限の責任を負うことを避けます。
譲渡側にとって重要なのは、知らなかったことでも責任を負う可能性があるという点です。表明保証は、故意に隠したかどうかを問わない形で設計されることがあります。そのため、事実を把握していなかったという主張が通らない場合があります。この点を踏まえて、表明する内容を自分で確認し、不確かな部分については範囲を限定するか、知っている限りにおいてという条件を付けるという交渉が行われます。
一方で、買い手がデューデリジェンスで把握した事項については、表明保証の対象から除外するという整理が一般的です。調査で判明した課題は、価格の調整や別の条項で扱うことになります。したがって、譲渡側としては課題を隠さずに開示するほうが、後の責任を限定できるという関係になります。
表明保証は、契約書の中で最も分量が多くなる部分です。ひな型をそのまま受け入れるのではなく、自院の状況に照らして一つずつ確認する必要があります。弁護士や医療分野に詳しい専門家に内容を確認してもらうことをおすすめします。