クロージング
くろーじんぐ
クロージングとは、最終契約で定めた条件が満たされたことを確認したうえで、対価の支払いと権利の移転を実行する手続きをいいます。その手続きを行う日をクロージング日と呼びます。医院の承継における一連の工程の中で、取引が実際に完結する場面にあたります。
この日に行われる作業の基本にあるのが、同時履行という考え方です。譲渡側が権利を移すのと、承継側が対価を支払うのを同じ場で行います。どちらか一方が先に履行すれば、相手方が応じなかった場合に取り返しがつかなくなるためです。実務では、双方と関係する専門家が一堂に集まり、書類の確認と資金の着金確認を並行して進めるという形が取られます。
まず行われるのが、前提条件が満たされているかの確認です。最終契約に列挙された条件を一つずつ照合します。医院の承継では、賃貸人から賃貸借契約の引継ぎについて承諾が得られているか、リース会社の同意が取得されているか、買い手側の融資が実行される段取りになっているか、買い手が医療法人であれば理事会や社員総会の承認が得られているか、そして行政手続きの見通しが立っているかといった項目です。一つでも欠けていれば、クロージングを延期するか、その条件を放棄することを合意したうえで進めるという判断が必要になります。
次に、書類の取り交わしです。譲渡の対象となる資産の引渡しに関する書類、契約の当事者を変更する書類、対価の受領を証する書類などを双方が署名して交換します。個人立の診療所を事業譲渡で引き継ぐ場合であれば、資産の一覧を添付した引渡書、賃貸借契約の名義変更に関する書類、リース契約の承継に関する書類が並びます。医療法人の持分を譲渡する形であれば、持分譲渡の書類、社員の入退社と役員変更に関する社員総会の議事録、理事長変更に関する書類が中心になります。
資金の決済もこの場で行われます。振込による場合は着金の確認をもって履行とするのが通例で、金融機関の営業時間を考慮した日程の設定が必要になります。融資によって資金を調達する場合、融資の実行日とクロージング日を合わせる段取りが求められます。
医院のクロージングに固有の作業として、実務的な引渡しがあります。診療所の鍵、金庫の鍵と暗証番号、電子カルテのアカウントと管理者権限、レセプトコンピュータのデータ、医療機器の取扱説明書と保守の記録、各種届出の控え、カルテの保管場所、そして取引先の連絡先の一覧といったものです。診療をその日から継続するのであれば、これらが揃っていなければ翌日の診療に支障が出ます。
登記と届出も、この時期に集中します。医療法人であれば、役員変更や定款変更に関する登記と所轄庁への届出が必要です。個人立の診療所であれば、譲渡側の廃止届と譲受側の開設届を保健所に提出し、保険医療機関の指定を地方厚生局に申請します。これらは提出の期限が定められているものがあり、クロージングの前後で日程が組まれます。指定の空白期間が生じると保険診療の報酬を請求できないため、遡及適用の取扱いを含めて事前に日程を確認しておくことが不可欠です。
引継ぎもこの日から始まります。前院長が非常勤として診療を続ける形であれば、その勤務が開始します。スタッフに対する説明、患者さんへの掲示、地域の医師会や連携先の病院への挨拶といった作業も、この前後に集中します。診療を止めずに承継する場合、クロージング日はきわめて多くの作業が同時進行する日になります。
そのため実務では、当日に何を誰がどの順序で行うかを一覧にして準備します。書類の一覧、資金の流れ、提出先と提出物、当日の連絡体制を事前に確認しておかなければ、必要な書類が揃わずに手続きが止まります。専門家が同席する場合は、その役割分担も決めておきます。
クロージングは、それまでの交渉の結果を実際の形にする日です。準備の抜けがそのまま診療の停止につながる可能性があるため、日程と作業の一覧を早い段階から整えておくことを、医療分野に詳しい専門家と一緒に進めることをおすすめします。
この日に行われる作業の基本にあるのが、同時履行という考え方です。譲渡側が権利を移すのと、承継側が対価を支払うのを同じ場で行います。どちらか一方が先に履行すれば、相手方が応じなかった場合に取り返しがつかなくなるためです。実務では、双方と関係する専門家が一堂に集まり、書類の確認と資金の着金確認を並行して進めるという形が取られます。
まず行われるのが、前提条件が満たされているかの確認です。最終契約に列挙された条件を一つずつ照合します。医院の承継では、賃貸人から賃貸借契約の引継ぎについて承諾が得られているか、リース会社の同意が取得されているか、買い手側の融資が実行される段取りになっているか、買い手が医療法人であれば理事会や社員総会の承認が得られているか、そして行政手続きの見通しが立っているかといった項目です。一つでも欠けていれば、クロージングを延期するか、その条件を放棄することを合意したうえで進めるという判断が必要になります。
次に、書類の取り交わしです。譲渡の対象となる資産の引渡しに関する書類、契約の当事者を変更する書類、対価の受領を証する書類などを双方が署名して交換します。個人立の診療所を事業譲渡で引き継ぐ場合であれば、資産の一覧を添付した引渡書、賃貸借契約の名義変更に関する書類、リース契約の承継に関する書類が並びます。医療法人の持分を譲渡する形であれば、持分譲渡の書類、社員の入退社と役員変更に関する社員総会の議事録、理事長変更に関する書類が中心になります。
資金の決済もこの場で行われます。振込による場合は着金の確認をもって履行とするのが通例で、金融機関の営業時間を考慮した日程の設定が必要になります。融資によって資金を調達する場合、融資の実行日とクロージング日を合わせる段取りが求められます。
医院のクロージングに固有の作業として、実務的な引渡しがあります。診療所の鍵、金庫の鍵と暗証番号、電子カルテのアカウントと管理者権限、レセプトコンピュータのデータ、医療機器の取扱説明書と保守の記録、各種届出の控え、カルテの保管場所、そして取引先の連絡先の一覧といったものです。診療をその日から継続するのであれば、これらが揃っていなければ翌日の診療に支障が出ます。
登記と届出も、この時期に集中します。医療法人であれば、役員変更や定款変更に関する登記と所轄庁への届出が必要です。個人立の診療所であれば、譲渡側の廃止届と譲受側の開設届を保健所に提出し、保険医療機関の指定を地方厚生局に申請します。これらは提出の期限が定められているものがあり、クロージングの前後で日程が組まれます。指定の空白期間が生じると保険診療の報酬を請求できないため、遡及適用の取扱いを含めて事前に日程を確認しておくことが不可欠です。
引継ぎもこの日から始まります。前院長が非常勤として診療を続ける形であれば、その勤務が開始します。スタッフに対する説明、患者さんへの掲示、地域の医師会や連携先の病院への挨拶といった作業も、この前後に集中します。診療を止めずに承継する場合、クロージング日はきわめて多くの作業が同時進行する日になります。
そのため実務では、当日に何を誰がどの順序で行うかを一覧にして準備します。書類の一覧、資金の流れ、提出先と提出物、当日の連絡体制を事前に確認しておかなければ、必要な書類が揃わずに手続きが止まります。専門家が同席する場合は、その役割分担も決めておきます。
クロージングは、それまでの交渉の結果を実際の形にする日です。準備の抜けがそのまま診療の停止につながる可能性があるため、日程と作業の一覧を早い段階から整えておくことを、医療分野に詳しい専門家と一緒に進めることをおすすめします。