益金不算入|医療機関のM&A、譲渡、売却をお考えの皆様へ

益金不算入

えききんふさんにゅう

益金不算入

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益金不算入とは、会計上は収益として計上される項目であっても、税務上は課税所得の計算に含めない扱いをいいます。法人税の計算では、会計上の利益をそのまま課税の対象とするのではなく、税法の定めに従って調整を加えます。その調整のうち、利益から差し引く方向に働くものがこの扱いにあたります。

会計と税務で扱いが分かれる理由は、目的が異なるためです。会計は、法人の経営状態を利害関係者に正しく伝えることを目的とします。一方、税務は課税の公平を保つことを目的とし、政策的な配慮も加わります。同じ収入であっても、経営の実態を示すうえでは収益とすべきものが、課税の対象とすべきかは別に判断されるということです。

代表的なものとして、まず受取配当等の益金不算入があります。法人が他の法人から配当を受け取った場合、その配当は支払う側の法人ですでに法人税が課された後の利益から支払われています。これを受け取った側でも課税すれば、同じ利益に二重に税が課されることになります。これを避けるために、一定の範囲で益金に算入しないという扱いが設けられています。

次に、還付を受けた法人税や住民税などです。過去に納めた税金が還付された場合、会計上は収益として処理されますが、もともと損金にならなかった税金の戻りであるため、課税の対象とはしません。

医療法人においてこれらの扱いがどのように関わるかを整理しておきます。まず受取配当については、医療法人が株式を保有して配当を受けるという場面が限られます。医療法人は非営利法人であり、医療法によって行える業務の範囲が本来業務と附帯業務に限定されています。資産を運用する目的で広く株式を保有することは想定されておらず、この規定が適用される場面は多くありません。

一方で、還付金に関する調整は、医療法人でも生じ得ます。前年度に納めた税額が確定申告によって還付される場合や、欠損金の繰戻しによる還付を受ける場合などです。医院の決算では、こうした項目が申告書の別表で調整されることになります。

補助金や助成金の扱いについては、注意が必要です。医療機関では、設備の導入や施設の整備、感染症への対応などに関して補助金を受け取ることがあります。これらは原則として益金に算入され、課税の対象になります。ただし、固定資産の取得に充てた補助金については、圧縮記帳という別の仕組みによって課税の時期を繰り延べる方法が認められる場合があります。益金不算入とは異なる制度ですが、実務上は混同されやすい部分です。

承継の場面でこの用語が関わるのは、主にデューデリジェンスの税務の領域です。過去の申告書を確認し、益金不算入の調整が適切に行われてきたかを見ます。本来は課税すべき収入を誤って除外していれば、修正申告と追徴課税につながります。逆に、適用できる調整を行っていなかった場合は、納めすぎていたことになります。いずれも過去の申告の正確性に関わる問題であり、医療法人の持分を譲渡する形では、法人格が残るためこうしたリスクも承継されます。

最終契約では、この点が表明保証の対象になります。税務申告が適正に行われていること、追徴課税を受ける事由が存在しないことを譲渡側が表明し、違反があれば補償の責任を負うという整理です。

なお、この用語は税務の調整項目を示す一般的な概念であり、医院の承継の交渉において直接議論されることはあまりありません。決算書の利益と税務上の所得が一致しない理由を理解するための知識として押さえておくと、申告書を読む際に役立ちます。過去の申告内容に不安がある場合は、承継の交渉に入る前に医療分野に詳しい税理士に確認を依頼しておくことをおすすめします。
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